
半導体設計大手のAdvanced Micro Devices(AMD)が8月5日に第2四半期決算1を発表したところ、株価は下落しました。予想を下回るEPSと中国売上高への懸念が、株価軟調の主な要因でした。
しかし、同社の決算内容が悪かったわけではありません。興味深いのは、決算発表後、複数の証券会社がこの半導体株の目標株価を引き上げたことです。
堅調な第2四半期決算
2025年第2四半期のAMDの売上高は過去最高の77億ドルとなりました。これは同社ガイダンスの上限に相当し、前年同期比32%の増収となりました。
内訳を見ると、データセンター部門の売上高は32億ドル(前年同期比14%増)、クライアント・ゲーミング部門の売上高は36億ドル(同69%増)、組み込み部門の売上高は8億2,400万ドル(同4%減)でした。

収益性については、まちまちの結果となりました。粗利益は前年同期比7%増の33億ドルとなった一方、純利益は同31%減の7億8,100万ドル、一株当たり利益は同30%減の0.48ドル(コンセンサス予想の0.49ドルをわずかに下回る水準)にとどまりました。
この収益性の低下は主に、米政府の輸出規制に関連して既に発表されていた約8億ドルの費用計上によるものです。この費用を除くと、非GAAPベースの粗利益率は43%ではなく約54%だったことになります。

この驚異的な業績を受け、Palantirは第3四半期および通期のガイダンスをいずれも引き上げました。第3四半期については前年同期比50%の成長を見込んでおり、2025年通期については前年比45%の成長を見込んでいます。また、調整後営業利益(19億1,200万~19億2,000万ドルへ)および調整後フリーキャッシュフロー(18億~20億ドルへ)のガイダンスも引き上げました。
ガイダンス引き上げ
ガイダンスについて、AMDは2025年第3四半期の売上高を約87億ドル(プラスマイナス3億ドル)と見込んでいると発表しました。アナリスト予想の83億ドルを上回る水準です。売上高予想レンジの中央値では、前年同期比約28%の増収に相当します。第3四半期の非GAAPベースの粗利益率は約54%になると見込まれています。なお、この見通しには中国向けInstinct MI308出荷による売上高は含まれておらず、同社のライセンス申請は現在も米政府による審査が続いています。
中国売上高は今後回復へ
中国売上高に注目すると、米政府による対中チップ輸出禁止措置の最近の撤回を受け、今後数四半期にわたって大きく押し上げられる可能性があります。この措置転換により、AMDは中国国内でInstinct MI308 GPUの販売を再開できる見通しです。ただし、時期については一定の不透明感が残っています。Instinct MI308の出荷再開と売上高の回復がどれほど早く進むかについて、懸念を示すアナリストもいます。
目標株価の引き上げ
全体として、第2四半期決算発表後にアナリストのセンチメントは大幅に強気に転じたようで、複数の証券会社が同社株の目標株価を引き上げています。目標株価を引き上げた証券会社2には以下が含まれます。
Piper Sandler: 140ドルから190ドルへ
TD Cowen: 165ドルから195ドルへ
Benchmark: 170ドルから210ドルへ
Raymond James: 120ドルから200ドルへ
Evercore ISI: 144ドルから188ドルへ
Stifel Nicolaus: 161ドルから190ドルへ
これらの目標株価の多くが現在の株価を大きく上回っている点は注目に値します。したがって、AMDは2025年下半期に注目すべきAI関連銘柄の一つとなる可能性があります。
脚注:
1 AMD Investor Relations Press Release, AMD Reports Second Quarter 2025 Financial Results, 2025年8月5日時点
2 MarketBeat, Advanced Micro Devices (AMD) Stock Forecast & Price Target, 2025年8月6日時点