11月19日、AI大手のNvidiaが2026会計年度第3四半期の決算1を発表した。これまでの四半期と同様、売上高、利益、ガイダンスのすべてが市場予想を上回る「ビート・アンド・レイズ」の内容となった。決算説明会2では、経営陣が人工知能(AI)市場の力強さと、その中でのNvidiaの圧倒的な地位についてさらに詳しく説明した。ここでは、決算説明会から得られた3つの重要なポイントを紹介する。
Nvidia製GPUへの需要は極めて旺盛
決算説明会の冒頭で明確になったのは、現在NvidiaのGPUに対する需要が極めて旺盛だという点だ。Colette Kress最高財務責任者(CFO)は「クラウドは完売しており、Blackwell、Hopper、Ampereを含む新旧世代のGPU導入基盤は完全にフル稼働している」と述べた。
今後については、Kress氏は、今年の年初から2026暦年末までのBlackwellおよびRubin関連の売上高について、5,000億ドル規模の受注が見通せていると述べた。ただし、この数字にはさらに上振れする可能性もあると付け加えた。
注目すべき点として、第3四半期における中国向けH20の売上高はわずか5,000万ドルにとどまった。中国について、Kress氏は「地政学的な問題と中国市場における競争の激化により、当四半期に大規模な発注は実現しなかった」と述べた。
つまり、将来的にはまったく新たな成長源が加わる可能性があるということだ。輸出規制が解除されれば、同社は四半期当たり数十億ドル規模の追加収益を見込める可能性がある。
これはまだ始まりに過ぎない
AIは近年さまざまな産業を変革してきたが、Nvidiaのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は、これはまだ始まりに過ぎないと考えている。フアン氏の見解では、世界は3つの大きなプラットフォームシフトを経ることになり、これらが同社のさらなる成長につながるという。

第一のシフトは、汎用CPUコンピューティングからGPUベースのアクセラレーテッド・コンピューティングへの移行だ。これは、ムーアの法則が減速し、トランジスタ密度の向上によって大幅な性能向上を実現することが難しくなっていることを背景に起きている。
第二のシフトは、非AIソフトウェアから、GPU上で稼働するAI搭載ソフトウェアへの移行だ。ここでフアン氏は、以前はCPU上で稼働していたが、現在はNvidiaのCUDA Xライブラリおよび AIモデルを用いてオントロジー・プラットフォームを動かしているPalantirを例に挙げた。
第三のシフトは、推論・計画立案・ツール活用が可能なエージェント型AIシステムへの移行だ。これらのシステムはコンピューティングの新たなフロンティアを切り開くものであり、アクセラレーテッド・コンピューティングシステムを必要とする。
将来の顧客動向について、Nvidiaは、既存のハイパースケール・ワークロード全体におけるアクセラレーテッド・コンピューティングおよび生成AIへの移行が、長期的な事業機会のおよそ半分を占めると見ている。もう一つの成長の柱は、Anthropic、OpenAI、Reflection、Thinking Machines Lab、xAIといった基盤モデル開発企業によるコンピューティング関連支出だとしている。

フアンCEO、AIバブルは存在しないとの見方
多くの投資家は現在、AI分野にバブルが生じているのではないかと懸念している。しかし、フアン氏はそうは見ていない。決算説明会で同氏は「AIバブルについて多くの議論がなされているが、われわれの視点から見ると、状況はまったく異なって見える」と述べた。
フアン氏はさらに、ハイパースケーラーがNvidiaのGPUに投資することで、規模、速度、コストの面で改善が得られると説明した。また、ムーアの法則が減速する中、テクノロジー企業がコストを削減するには新たなアプローチが必要であり、NvidiaのGPUはそのための効果的な手段だと付け加えた。フアン氏はさらに、NvidiaのGPUがこうした企業の収益拡大にも寄与すると指摘した。同氏は、大手テクノロジー企業の多くのビジネスモデルが生成AIを活用した「レコメンデーションシステム」を基盤としており、AIが新たな純増消費を生み出していると説明した。
その具体例として、フアン氏はMetaを挙げた。MetaではAIレコメンデーションシステムがより関連性の高いコンテンツを提供することで、FacebookおよびInstagramでの利用時間の増加につながっている。フアン氏は、Metaが第2四半期にInstagramでの広告コンバージョン率が5%超増加し、Facebookフィードでも3%増加したと報告したことに言及した。つまり、GPU技術への投資は明らかに効果を上げているということだ。
AI革命を支える存在
これらを総合すると、Nvidiaの第3四半期決算は、同社が単にAIの波に乗っているだけでなく、その未来を積極的に形作っている企業であることを浮き彫りにした。GPU需要が供給を一貫して上回り続けていること、顧客にとっての具体的なROI(投資対効果)を通じて潜在的な「バブル」懸念を払拭する明確な道筋があること、そして3つの大きなプラットフォームシフトに向けたビジョンを持っていることを踏まえると、同社は今後数年間にわたるAIブームを最大限に活かせる、独自の優位な立場にあると言えるだろう。
脚注:
1 NVIDIA Newsroom、NVIDIA Announces Financial Results for Third Quarter Fiscal 2026、2025年11月19日時点
2 Yahoo Finance、NVIDIA Corporation (NVDA) Q3 FY2026 earnings call transcript、2025年11月19日時点