
時価総額で世界最大の航空宇宙・防衛企業であるRTXコーポレーション1は、2025年の株式市場で約30%上昇するなど、際立ったパフォーマンスを見せている。中東における紛争や、NATO加盟国による防衛費支出増額のコミットメントを背景に、同社株は投資家から大きな関心を集めている。
最近、RTXは2025年第2四半期の決算2を発表し、その内容は印象的なものであった。一部の投資家は同社が通期ガイダンスをわずかに修正した点に注目しているが、その背後にあるのは、全事業セグメントにわたる健全な成長とモメンタムというストーリーである。
増収増益で市場予想を上回る
第2四半期、RTXの売上高は前年同期比9%増の216億ドルとなり、コンセンサス予想の207億ドルを大きく上回った。調整後一株当たり利益(EPS)は1.56ドルとなり、前年同期比11%増となった。こちらも決算発表前のコンセンサス予想であった1.45ドルを大きく上回る内容であった。
四半期末時点で、同社の受注残高は2,360億ドルとなった。この内訳は民間向け売上1,440億ドルと防衛向け売上920億ドルであり、前年同期比15%増加した。この好調な業績を受け、同社は四半期配当を8%引き上げた。また、この四半期に実施された9億ドル相当の自社株買いによっても、投資家は恩恵を受けたと私たちは考えている。
全社的なモメンタム
第2四半期の決算を詳しく見ると、エンジンメーカーのプラット・アンド・ホイットニーが優れた業績を上げ、調整後売上高は前年同期比12%増の76億3,100万ドルとなった。このセグメントの成長は、民間アフターマーケット売上高の19%増加と、民間向け新造装備(OE)売上高の15%増加に牽引された。
コリンズ・エアロスペースも好調な四半期となった。同事業の調整後売上高は、民間航空需要の増加に支えられ、前年同期比9%増の76億2,200万ドルとなった。
防衛セグメントのレイセオンは、売上高が前年同期比8%増の70億100万ドルとなった。この成長は、パトリオットやNASAMSといった地上・防空システムの取扱数量の増加、およびSPY-6やイボルブド・シースパローなどの艦艇用ミサイルの取扱数量の増加によって牽引された。

関税がガイダンスを圧迫
第2四半期決算において弱点が一つあったとすれば、それは2025年通期の利益ガイダンスである。関税の影響により今年はおよそ5億ドルのコストが見込まれることから、ガイダンスはわずかに下方修正された。同社は現在、2025年通期の調整後EPSを5.80~5.95ドル(2024年の5.73ドルに対して)と見込んでいる。従来は6.00~6.15ドルを見込んでいた。
一方でプラス材料として、同社は2025年通期の売上高ガイダンスを引き上げた。通期の調整後売上高は847億5,000万~855億ドルと見込まれ、従来の830億~840億ドルから引き上げられた。また、オーガニック売上成長率は4~6%から6~7%への上方修正が見込まれている。経営陣は事業の長期的な見通しについても楽観的な姿勢を示した。

長期成長に向けた良好なポジション
全体として、RTXの決算は非常に堅調な内容であった。増収増益を達成しただけでなく、全セグメントにわたる力強い売上成長、受注残高の増加、そして投資家向けの増配も報告された。
今後について、関税の影響があるものの、RTXはさらなる成長に向けた良好なポジションにあるように見える。急速に拡大するグローバル防衛市場と、回復基調にある民間航空宇宙産業の両方にエクスポージャーを持つことから、同社は今後も力強く持続的な追い風の恩恵を受ける態勢が整っていると、私たちは考えている。
脚注:
1 Companies Market Cap、Largest defense contractors by market cap、2025年7月24日時点
2 RTX、RTX reports Q2 2025 results、2025年7月22日時点