PayPal株は2025年、市場を大幅にアンダーパフォームしている。年初来で14%下落した1一方、S&P 500指数は約17%上昇した。しかし、このフィンテック株を押し上げる可能性のある要因がいくつか存在する。これには、直近決算での市場予想上振れとガイダンス引き上げ、配当の開始、そしてChatGPTを運営するOpenAIとの大型提携が含まれる。
第3四半期決算は市場予想を上振れ、ガイダンスも引き上げ
PayPalは10月28日に2025年第3四半期決算2を発表し、全体として堅調な内容だった。同四半期の売上高は84億ドルで前年同期比7%増となり、コンセンサス予想の82億ドル3を上回った。一方、調整後EPSは1.34ドルで前年同期比12%増となり、アナリスト予想の1.21ドルを上回った。同期間の総決済取扱高(TPV)は4,581億ドルで、前年同期比8%増だった。
重要な点として、同社はガイダンスを引き上げた。通期のノンGAAP EPSは5.35~5.39ドルを見込んでおり、従来のガイダンスである5.15~5.30ドルから引き上げられた2。

配当の開始
第3四半期決算で特に注目されたのは、四半期ごとの現金配当の開始である。最初の配当(一株当たり0.14ドル)は、2025年11月19日の取引終了時点で株式を保有する株主に対し、2025年12月10日に支払われる予定だ。
PayPalの配当利回りはおそらく小さなものになるとみられるが、配当の開始という事実を軽視すべきではない。というのも、これにより潜在的な投資家層が大きく広がる可能性があるためだ。機関投資家は、配当を出さない銘柄には投資できないケースが多い。そのため、四半期配当の開始は同社株への関心をさらに高める可能性がある。
OpenAIとの提携
第3四半期決算の上振れと配当開始は投資家に好感されたが、10月28日最大のニュースは、AI大手OpenAIとの提携4の発表だった。この提携により、ChatGPTユーザーがPayPalを使ってアプリ内で即座に決済できるようになる可能性がある。また、PayPalのグローバルな加盟店ネットワークをOpenAIと接続し、ユーザーがChatGPT内で販売を行えるようにすることも目指している。この提携は来年開始予定であり、同フィンテック企業にとって大きな成長ドライバーとなる可能性がある。

PayPalの新たな目標株価
配当開始とOpenAIとの提携のニュースを受け、複数の証券会社がPayPal株の目標株価を引き上げた。その一つがオッペンハイマーで、目標株価を125ドルから130ドルに引き上げた5。
この目標株価は現在の株価を約78%上回る水準であり、オッペンハイマーのアナリストが中期的に大幅な上値余地を見込んでいることを示している。
脚注:
1 Yahoo Finance, 2025年10月29日時点
2 PayPal Reports Third Quarter 2025 Results, 2025年10月28日時点
3 Yahoo Finance, Stock market today: Dow, S&P 500, Nasdaq notch fresh records as Nvidia soars ahead of Fed rate decision, 2025年10月28日時点
4 PayPal Investor Relations, OpenAI and PayPal Team Up to Power Instant Checkout and Agentic Commerce in ChatGPT, 2025年10月28日時点
5 Investing.com, PayPal Holdings Inc (PYPL), 2025年10月28日時点