
8月27日水曜日、AI(人工知能)大手のNvidiaが取引終了後に2026会計年度第2四半期決算を発表する。株価は4月以降上昇を続けており、同チップ設計会社の時価総額は現在約4.3兆ドルに達し、S&P500指数構成銘柄で時価総額最大となっていることから、この決算発表は世界中の投資家から厳しく注視されるとみられる。
本稿では、第2四半期決算発表を控えたNvidia株の地合いを確認するとともに、売上高・利益予想を取り上げ、投資家が注目すべき第2四半期のポイントを整理する。
株価の地合いと投資家心理
Nvidiaの株価は4月の安値以降、目覚ましい上昇を遂げ、100ドル未満から180ドル超まで駆け上がった。この上昇相場は、生成AI革命の中核を担う同社チップに対する旺盛な需要に支えられている。7月には一時、相対力指数(RSI)が70を超え、株価はかなり「買われ過ぎ」の状態にあった。しかしここ数週間は小幅な調整があり、RSIはより中立的な56まで低下している。
4月以降の大幅な株価上昇にもかかわらず、アナリストのセンチメントは依然として圧倒的に強気だ。第2四半期決算を前に、多くのウォール街のアナリストが目標株価を引き上げている。現在、TD Cowen、Morgan Stanley、UBS、Wedbush、KeyBancなど複数の証券会社1が200ドルを超える目標株価を示しており、中でもLoop Capitalが現時点で最も高い250ドルの目標株価を掲げている。同社アナリストのAnanda Baruah氏は、今後数年間でAI投資が大幅に拡大すると見込んでおり、Nvidiaは重要技術を事実上独占していると述べている。
興味深いことに、Morgan Stanleyの最近の分析2では、Nvidiaは機関投資家の間でS&P500における構成比率に対して最も「保有不足」となっているメガキャップ・テック株であることが明らかになった。Morgan Stanleyが「顕著な異常事態」と呼ぶこの状況は、アクティブ運用マネージャーがポートフォリオを再調整する過程で「テクニカルな上昇圧力」を生む強力な触媒となり得るとし、株価の次の上昇局面を後押しする可能性があると同社は指摘する。なお、同株の株価収益率(PER、予想ベース)は現在41倍とやや割高に見えるものの、中期的な視点で見れば特段割高とは言えない。2027会計年度のEPS予想6.03ドルを用いると、PERは約29.5倍まで低下する。
第2四半期の予想
Nvidiaが示した第2四半期の売上高ガイダンスは441億ドルから459億ドルのレンジで、アナリストは現在、そのレンジの上限に近い458億ドル3程度になると予想している。これは前年比52%の増収に相当する。第1四半期の成長率からは減速するものの、中国向けH20チップ販売に対する輸出規制の影響(同社に数十億ドル規模の減収をもたらした)を踏まえれば、依然として印象的な数字と言える。EPSのコンセンサス予想は1.00ドル4だ。
売上の8割超を占めるデータセンター部門の成長率は、第1四半期の驚異的な73%から54%へ鈍化する見通しだが、依然として力強い水準だ。一方、自動車・ロボティクス部門の成長は加速する見込みで、自動運転向け安全システム「NVIDIA Halos」やヒューマノイドロボット向け基盤モデル「Isaac」といった新製品に支えられ、同部門は前年比80%の成長が見込まれている。なお、第1四半期にはNvidiaの粗利益率がH20関連費用の影響で悪化した。アナリストと投資家は、第2四半期に同社が第1四半期時点で示していたガイダンス通り、粗利益率が72%前後まで回復するかどうかに注目するとみられる。
投資家が注目すべきポイント
決算数値そのものに加え、投資家は決算説明会でいくつかの重要なテーマに注目するとみられる。中国向け輸出に関する最新動向は主要な注目点の一つとなりそうだ。最近、Nvidiaは輸出許可と引き換えに、中国向けAIチップ販売収益の15%を米政府と分配することで合意した。CEOのJensen Huang氏によれば、中国のAI関連売上は最大500億ドル5に上る可能性があり、この合意は同社が中国市場での優位性を維持する助けになり得るため、投資家はこの点が今後どう展開するかを注視するだろう。さらに投資家は、「B30A」と仮称される、より高性能な中国向け新型チップに関する最新情報にも耳を傾けるとみられる。現行の承認済みモデルであるH20よりも高性能とされるこのチップは、Nvidiaの中国事業にとって流れを変える存在になり得る。
投資家はまた、NvidiaのBlackwellおよびRubin製品に関する最新情報にも注目するとみられる。Blackwellは同社の現行AIチップであり、投資家はその生産・増産状況について明確な見通しを得たいと考えている。最終的に、Blackwellの展開スピードが、NvidiaがAI向けGPU市場での独占的な地位を維持できるか、それともAMDなどの競合に付け入る隙を与えるかを左右することになる。同様に、最近TSMCで試験生産に入った次世代チップ「Rubin」に関するニュースも、投資家にとって重要な材料となるだろう。
最後に、第3四半期のガイダンスも極めて重要だ。アナリストは現在、Nvidiaが500億ドル6以上の売上高を見込むガイダンスを示すと予想している。また、同社の直近の決算を特徴づけてきた「予想上振れ・上方修正」が今回も見られると期待されている。強気な見通しが示されれば、AI需要サイクルがピークを迎えつつあるとの懸念は和らぐ可能性が高い一方、弱気な見通しとなれば同株の売りを誘発し、AIセクターの他銘柄にも悪影響を及ぼしかねない。
脚注:
1 Tipranks、Nvidia (NVDA) Stock Forecast & Price Target、2025年8月22日時点
2 Yahoo Finance、Nvidia is the most underowned megacap stock, Morgan Stanley says、2025年8月19日時点
3 IG、How will AI growth and US-China deal shape NVIDIA's Q2 results?、2025年8月25日時点
4 Pepperstone、Nvidia Q2 2026 Earnings: Key Expectations and Market Implications、2025年8月25日時点
5 CNBC、Nvidia CEO says being locked out of China AI market would be 'tremendous loss'、2025年5月6日時点
6 Yahoo Finance、Why this is a must-watch in Nvidia's earnings report、2025年8月21日時点