Nvidia第4四半期決算・見通しは市場予想を上回るまたしても、Nvidiaの決算は国際市場に影響を及ぼすような数字を示した。人工知能革命の最前線という地位をさらに確固たるものにするため、このAI半導体大手は、売上高・利益ともにウォール街の予想を上回る第4四半期決算を発表した。次四半期のガイダンスも市場予想を上回る内容となった。
Nvidiaの第4四半期の売上高は681億ドルで、前四半期比20%増、前年同期比73%増となった。EPSは1.62ドルで、アナリスト予想の1.53ドルを容易に上回った。1年前1の売上高393億ドル、EPS0.89ドルと比較すると、Nvidiaの成長軌道は目覚ましいものがある。
好調な決算内容にもかかわらず、決算発表後に株価は10%超下落した。これは過去2四半期のNvidia決算で常態化しているパターンである。
Nvidiaの第1四半期見通しがハードルを一段と引き上げ
本当の注目点は第4四半期の決算内容そのものではなく、先行きのガイダンスだった。
Nvidiaは第1四半期の売上高を780億ドル(上下2%)と見込んでおり、ウォール街の予想である720億〜730億ドル程度1を大きく上回る水準だ。重要な点として、この予想には中国向けデータセンター向けコンピューティング収益は一切含まれていない。これにより地政学的な不確実性は開示済みの前提条件として織り込まれ、潜在的な上振れ要因はモデルに含まれていない状態となっている。
大きな数字を期待するのが当たり前になっている市場において、Nvidiaは単にハードルをクリアしただけでなく、それを再び引き上げた。
データセンター事業がAI需要の急拡大を牽引
予想通り、Nvidiaのデータセンター事業が引き続き成長のエンジンとなった。同部門の売上高は623億ドルに達し、アナリスト予想を上回り、前年同期比75%増となった1。
Amazon、Microsoft、Alphabet、Metaなどのハイパースケーラーがデータセンター売上高の50%強を占めた。しかしNvidiaは、成長がエンタープライズ顧客やその他の顧客層にも一段と分散してきていると指摘しており、AIインフラ投資の裾野が一握りのテック大手を超えて広がりつつあることを示唆している。
さらに詳しく見ると、コンピューティング収益は前年同期比58%増、ネットワーキング収益は263%急増し110億ドル近くとなった。Nvidiaはもはや単なるチップの販売企業ではなく、AIシステム全体、ネットワーキングインフラ、緊密に統合されたプラットフォームを出荷する企業となっている。
その規模は、典型的な半導体サイクルというより、産業物流に近い様相を呈し始めている。
利益率の高さが価格決定力を示す
粗利益率は投資家にとって引き続き重要な注目点である。Nvidiaは当四半期のGAAPベースの粗利益率が75%だったと発表した。Blackwellアーキテクチャへの大規模なハードウェア移行が進む中でもこの水準を維持していることは、強い価格決定力を示している1。
通期の利益率は、生産規模の拡大と移行コストの吸収により2025会計年度と比較して低下したものの、四半期ベースでの安定性は、出荷台数が急増する中でも収益性が損なわれていないことを投資家に再認識させた。
また、もう一つの重要な動きとして、Nvidiaは2027会計年度から非GAAP指標に株式報酬費用を含めると発表した。売上高ガイダンスを引き上げる一方で自社の報告指標を厳格化する姿勢は、経営陣が成長の持続性に自信を持っていることの表れといえる。
AI設備投資と2026年の投資拡大
AI関連支出をめぐる議論は依然として決着していない。一部の投資家は、現在のペースの設備投資が持続可能かどうか疑問視している。一方で、AIインフラ投資サイクルはまだ初期段階にあるとの見方もある。
主要ハイパースケーラーは、2026年だけでAIインフラに数千億ドル規模の投資を行うと見込まれており、その支出のかなりの部分が、先端GPUからネットワーキング、フルスタックシステムに至るまで、Nvidiaのエコシステムに直接流れ込むとみられる。
市場にとっての重要な問いは、AIインフラ投資はまだ初期段階にあるのか、それともサイクルの中盤に近づいているのか、というものだ。まだ初期段階であれば、Nvidiaの成長余地は今後さらに数年間続く可能性がある。サイクルがより成熟していれば、拡大ペースは徐々に緩やかになるかもしれない。
現時点では、最新の決算はモメンタムが失速するどころか加速していることを示唆している。
ゲーミングとCPU
中核であるデータセンター部門以外では、Nvidiaのゲーミング収益は37億ドルとなり、予想をわずかに下回った1。しかし報道によれば、同社は近くノートPC向け自社製CPUを投入する可能性があり、Intel、Advanced Micro Devices、Qualcommとより直接的に競合することになるとみられる2。
PC向けチップはデータセンター事業ほどの収益性は見込めないものの、こうした動きは、AI向けスーパーコンピューティングクラスターから一般消費者向けゲーミングノートPCに至るまで、Nvidiaのエコシステム支配をさらに強固なものにするだろう。
出典:TradingView。Nvidia日足チャート、2026年2月26日時点
Nvidia株のパフォーマンスと市場センチメント
記録的な好決算にもかかわらず、Nvidia株の年初来上昇率は、過去2年間の爆発的なパフォーマンスと比較すると控えめなものにとどまっている。木曜日の株価は10%超急落したが、依然として過去3カ月のレンジである169.55ドルから194.49ドルの範囲内にとどまっている。このレンジをその後どちらに抜けるかが、次の短期的な値動きの方向性を左右するだろう。当初の市場の否定的な反応にもかかわらず、長期的には245.00ドル近辺の水準は十分に達成可能とみている。
Nvidiaの決算は、雇用統計やインフレ指標に匹敵するほど市場を動かす、事実上のマクロイベントとなっている。時価総額4兆ドルを超える中、わずかな変化率であっても、指数や世界の株式資金フローに対して大きな意味を持つ。
Nvidia決算が示すAIブームの実像
今回の決算シーズンをめぐる中心的な問いは、AI関連支出が実際の経済的リターンを生み出しているかどうかだった。
Nvidiaの決算結果は、AIインフラに対する需要が引き続き堅調であることを示している。在庫水準や供給契約の状況からは、同社が今後数四半期を超えて持続的な需要に備えていることがうかがえる。
ジェンスン・フアンCEOは、この局面を「エージェンティックAIの転換点」と表現し、NvidiaをAI成長の単なる受益者としてではなく、それを支えるインフラの中核として位置づけた。
Nvidiaは売上高で市場予想を上回った。利益でも市場予想を上回った。ガイダンスも上方修正した。利益率も維持した。そして中国向け需要を先行き予想から除外し、上振れの余地を残した。投資家に残された唯一の問いは、好決算のたびに繰り返される、あの問いである。Nvidiaは次もこれを、しかもさらに速いペースで実現できるのか。
まとめ
Nvidiaは第4四半期の売上高が前年同期比73%急増の681億ドルとなり、市場予想を上回った。
同社は第1四半期の売上高ガイダンスを780億ドルとし、ウォール街の予想を大きく上回った。
データセンター事業の力強い成長と75%の利益率が、AI需要の堅調さを裏付けている。
脚注:
1 NVIDIA Newsroom、NVIDIA Announces Financial Results for Fourth Quarter and Fiscal 2026、2026年2月25日時点
2 CNET、Nvidia Set to Launch Laptop Chip in the First Half of This Year、2026年2月23日時点