Nu Holdings株は最近、勢いを失っている。年初来では約12%下落している1。それでも、この南米フィンテック大手は依然として急速な成長を続けている。ここでは、同社の直近の第4四半期決算から主要な数字を見ていく。
第4四半期は力強い成長
2025年第4四半期において、Nuの売上高は49億ドルとなり、2024年第4四半期の31億ドルから前年同期比58%増(現地通貨ベースでは45%増)となった。同期間の純利益は8.95億ドルで、前年同期の5.53億ドルから増加した。
四半期末時点で、このデジタルバンキング企業の預金総額は419億ドルとなり、前年同期比29%増。一方、Nuの与信ポートフォリオ総額は327億ドルで、前年同期比40%増だった。

出典:Nu Holdings, Q4 2025 earnings presentation, 2026年2月25日時点
第4四半期、Nuは400万人の顧客を新たに獲得した。これにより、年末時点の総顧客数は1億3,100万人となり、前年同期比15%増となった。
アクティブ顧客一人当たりの月間平均収益(ARPAC)は第4四半期に15ドルに達し、前年同期比で約27%増加した。アクティブ顧客一人当たりの月間平均対応コストは0.80ドルにとどまり、同社のビジネスモデルの高いオペレーティングレバレッジを示している。

なお、新しい銀行サービスの展開が、最近の同社の成長を大きく牽引してきた点は注目に値する。第4四半期、Nuはエンゲージメントの深化と収益化の拡大を目的に、各市場で100を超える新製品・新機能を投入した。
ブラジルでは新しい給与天引き型ローン、18歳未満向けクレジットカード、資産形成を支援するツールを投入した。コロンビアでは、標準的な審査基準を満たさない可能性のある顧客向けに設計された新しいクレジットカード商品群を発表した。
2026年はグローバル展開へ
Nuは現時点でラテンアメリカにおいて大きな成功を収めているが(顧客数ベースでブラジル最大の民間金融機関となっている)、グローバル展開を目指している。今年は、ブラジル・メキシコ市場を引き続き優先しつつ、米国進出に向けた事業基盤の整備を進める計画だ。
なお、1月にはNuは米国通貨監督庁(OCC)から米国における銀行設立に関する条件付き承認を取得している。ただし、連邦準備制度理事会(FRB)および連邦預金保険公社(FDIC)からの承認はまだ得られていない。
AIの活用
このフィンテック企業にとって今年もう一つの優先事項がAIの活用だ。今後は、アプリの機能性、カスタマーサービス、クロスセル活動の支援にAIを活用し、長期的な成長のための構造的な強みとして位置づけていく計画だ。
最近では、ブラジルの与信審査にAIモデル「nuFormer」を導入し、過去10四半期で最大となるクレジットカード市場シェアの四半期増加を実現した。このモデルは今後、ブラジルの融資業務およびメキシコのクレジットカード業務にも展開される予定だ。

出典:Nu Holdings, Q4 2025 earnings presentation, 2026年2月25日時点
Nu株の見通し
同社の第4四半期決算を受け、モルガン・スタンレーのアナリスト2はNu株の目標株価を引き上げた。新たな目標株価は21ドル(従来の18ドルから引き上げ)で、現在の株価を約40%上回る水準だ。同社は、Nuが2026年末までに時価総額1,000億ドルに達する可能性があるとみている。その他にも、ゴールドマン・サックス、サスケハナ、イタウBBAなど強気な見方を示す企業3があり、それぞれ21ドル、22ドル、20ドルの目標株価を設定している。
脚注:
1 Google Finance, 2026年3月4日時点
2 Market Screener, Morgan Stanley Raises Price Target on Nu Holdings to $21 From $18, Keeps Overweight Rating, 2026年3月2日時点
3 Investing.com, Nu Holdings Ltd (NU), 2026年3月3日時点