金相場はこの12カ月で約65%1上昇と絶好調な1年を送ったが、金鉱株のNewmont Corporationはそれを大きく上回るパフォーマンスを見せた。この1年で同社株は150%超2上昇し、金価格の上昇すら見劣りするほどの勢いとなっている。
先般、Newmontは2025年第4四半期・通期決算3を発表し、歴史的な金相場の強気相場の中での業績を投資家に示した。以下では決算のハイライトと、決算発表後の同金鉱株の状況を紹介する。
2025年はキャッシュフローが過去最高を記録
2025年通期でNewmontは金590万オンス、銀2,800万オンス、銅13万5,000トンを生産した。同期間の副産物控除後の維持コスト(AISC)は1オンスあたり1,358ドルだった。
こうした生産水準とコストを背景に、同期間の調整後純利益は76億ドル、希薄化後EPSは6.89ドルとなった。2024年の数値(39億ドル、3.48ドル)と比較すると大幅な増加である。
キャッシュフローに注目すると、同社は営業活動によるキャッシュフローとして103億ドルを創出し、年間のフリーキャッシュフローは過去最高となる73億ドルを計上した。フリーキャッシュフローは前年比で約150%増となった。
通期の平均実現金価格は1オンスあたり3,498ドルで、2024年の2,408ドルから上昇した。なお第4四半期の平均実現金価格は1オンスあたり4,216ドルで、第3四半期から677ドル上昇した。

この好業績を背景に、Newmontは2025年に自社株買いと配当を通じて34億ドルを株主に還元することができた。また、負債を34億ドル削減し、年末時点で純キャッシュポジション21億ドル(現金76億ドル、総流動性116億ドル)で年を終えた。
なお通期決算で、同社は資本配分方針の強化を発表した。これは、長期的な価値創造に向けた高リターンの設備投資を可能にしつつ、増配と自社株買いを通じて今後の株主への資本還元総額を最大化することを目的としたものである。
今後について、Newmontは2026年の金生産量を約530万オンスと見込んでいる。副産物控除後AISCは、他の金属の採算性の高い生産に支えられ、1オンスあたり1,680ドルになると予想している。
Newmont株:現在の状況
Newmont株は金価格の急騰を背景にこの12カ月で大幅に上昇したが、依然として上値余地がある可能性がある。現在、RSI(相対力指数)は60を下回っており4、「買われすぎ」の水準には達していない。一方、バリュエーションの面では、予想PER(株価収益率)はわずか13.3倍4と、市場平均を大きく下回る水準にある。なお、アナリストの平均目標株価は約136ドル5で、現在の株価を約10%上回る水準である。RSIと株価収益率を踏まえると、特に金価格の上昇が続けば、Newmontは2026年に注目すべき銘柄となる可能性がある。
脚注:
1 GoldPrice.org、Gold Price Performance USD、2026年2月20日時点
2 Google Finance、2026年2月20日時点
3 Newmont、Newmont Reports Fourth Quarter and Full Year 2025 Results, Provides 2026 Guidance, and Announces Enhanced Capital Allocation Framework、2026年2月19日時点
4 LSEG、2026年2月20日時点
5 Investing.com、Newmont Goldcorp Corp (NEM)、2026年2月20日時点