テック業界全体が活況を呈する中、サイバーセキュリティ関連株は2025年に期待外れのパフォーマンスとなっている。この分野には個別に際立った好パフォーマンス銘柄もあるものの、セクター全体としてはテクノロジーセクター全体の値動きに及んでいない。
しかし業績面では、AI革命を追い風に多くのサイバーセキュリティ企業が過去最高の売上高を記録するなど、直近のパフォーマンスは非常に好調だ。ここでは、各社の最近の決算からいくつかのハイライトを紹介する。
CrowdStrike:AIの脅威から企業を守る
CrowdStrikeの2026会計年度第3四半期決算1では、売上高は12億3,000万ドルで前年同期比22%増となった。年間経常収益(ARR)は前年同期比23%増の49億2,000万ドルとなった。
収益性については、同四半期のnon-GAAP純利益は過去最高の2億4,540万ドルで前年同期比29%増となった。フリーキャッシュフローは2億9,590万ドルで、2025会計年度第3四半期の2億3,060万ドルから増加した。
第3四半期の決算説明会2でジョージ・カーツCEOは、あらゆる規模の組織がAIトランスフォーメーションの最中にあり、AIエージェントが攻撃対象領域(アタックサーフェス)を急速に拡大させていると語った。また、AIを悪用した脅威と戦う上で、CrowdStrikeのような単一の包括的サイバーセキュリティプラットフォームの重要性についても言及し、企業が複数のプラットフォームを併用することが脆弱性を生む要因になると説明した。

CrowdStrikeの第3四半期決算発表以降、ウォール街の多くの証券会社が同サイバーセキュリティ株の目標株価3を引き上げている点は注目に値する。現在、複数の証券会社が580ドル以上の目標株価を設定している。
Palo Alto Networks:次世代セキュリティが力強く成長
続いてPalo Alto Networksを見ると、2026会計年度第1四半期4の最新決算では、現在健全なペースで成長していることが示された。同四半期の売上高は前年同期比16%増の25億ドル、non-GAAP純利益は同21%増の6億6,200万ドルとなった。
なお、「プラットフォーム化」モデルを通じて顧客に包括的なサイバーセキュリティ保護を提供する同社のNext-Generation Securityセグメントの成長率はさらに高く、ARRは59億ドルで前年同期比29%増となった。
今後についてPalo Alto Networksは、Next-Generation Securityセグメントが引き続き成長を牽引すると見込んでいる。現在、2030年までにNext-Generation SecurityのARRを150億ドルとすることを目標としている。
M&A(買収)も成長を後押しすると見込まれている。同社は第1四半期決算で、AIデータセンター時代向けの次世代オブザーバビリティ(可観測性)プラットフォームであり、現在ARRが3桁成長を遂げているChronosphereの買収を発表した。

Palo Alto Networks株は決算発表後に下落したものの、アナリストは同銘柄に対して強気な見方を維持している。現在、ウォール街の複数の証券会社が250ドル以上の目標株価を設定している。
Zscaler:急成長する中堅サイバーセキュリティ企業
Zscalerはサイバーセキュリティ分野において比較的小規模なプレーヤーだ。しかし最近の決算は、同社を過小評価すべきではないことを示している。10月31日に終了した四半期5(2026会計年度第1四半期)の売上高は7億8,810万ドルで、前年同期比26%増となった。non-GAAP純利益は1億5,950万ドルで、2025会計年度第1四半期の1億2,430万ドルから増加した。
決算説明会6で経営陣は、Zscalerが「ARR30億ドル超かつ成長率25%超」を達成しているエンタープライズSaaS企業5社のうちの1社であると指摘した。また、第1四半期の「ルール・オブ・40」スコアは78であり、これは比較的まれな水準であるとも述べた。

CrowdStrikeと同様に、経営陣は決算説明会でAIのリスクについても強調し、悪意ある攻撃者がAIを利用してサイバー攻撃の速度と効果を劇的に高めていると述べた。さらに、AIエージェントが企業セキュリティにおける「最も弱い環(リンク)」になりつつあるとも付け加えた。
こうした背景から、ZscalerのAIセキュリティ事業は力強い成長を遂げている。第1四半期には前年同期比80%超の成長となり、2026会計年度のARR目標である4億ドルを、予定より3四半期早く既に上回った。
Okta:企業のID管理を支援
最後に、ID管理専門企業のOktaも、現在大きな成功を収めている。2026会計年度第3四半期7の売上高は7億4,200万ドルで、前年同期比12%増となった。non-GAAP純利益は1億5,200万ドルで、前年同期から26%増加した。第3四半期末時点の残存履行義務(RPO)は43億ドルで、前年同期比17%増となった。
Oktaの第3四半期決算説明会8で経営陣は、AIエージェントの台頭によって今後生まれる大きな機会について強調した。企業がエージェント型AIの利用を始めるにつれ、ID・アクセス管理において複雑な課題に直面することになる。トッド・マッキノンCEOによれば、同社の「Auth0 for AI Agents」プラットフォームに対する引き合いがここ数カ月で急増しているという。既に100社以上の顧客と同サービスについて協議を行っている。

サイバーセキュリティ株に今、投資機会はあるか
以上を総合すると、現在サイバーセキュリティ企業には明確な勢いがあることが分かる。売上高は急増しており、利益やキャッシュフローも上昇基調にある。しかし、この業績面での勢いは株価に十分反映されていない。したがって、業績の強さと株価パフォーマンスの間にギャップが存在する今こそ、投資機会が潜んでいる可能性がある。
脚注:
1 CrowdStrike、CrowdStrike Reports Third Quarter Fiscal Year 2026 Financial Results、2025年12月2日時点
2 Investing.com、Earnings call transcript: CrowdStrike beats Q3 2026 forecasts, stock rises、2025年12月2日時点
3 Investing.com、CrowdStrike Holdings Inc (CRWD)、2025年12月5日時点
4 Palo Alto、Palo Alto Networks Reports Fiscal First Quarter 2026 Financial Results、2025年11月19日時点
5 Zscaler、Zscaler Reports First Quarter Fiscal 2026 Financial Results、2025年11月25日時点
6 The Motley Fool、Zscaler (ZS) Q1 2026 Earnings Call Transcript、2025年11月25日時点
7 Okta、Okta Announces Third Quarter Fiscal Year 2026 Financial Results、2025年12月2日時点
8 Investing.com、Earnings call transcript: Okta's Q3 2026 solid results boost stock by 1.96%、2025年12月3日時点