2025年はビットコインにとってやや厳しい一年となっている。2024年末に10万ドル1を超えて上昇した後、この暗号資産は大規模な清算や投資家心理の変化により、その勢いを維持できずにいる。しかし、ビットコイン自体は2025年に大きな上昇を見せていない一方で、ブロックチェーン・エコシステムの拡大が続く中、多くの暗号資産関連企業は目覚ましい成長を遂げている。本稿では、第3四半期(Q3)に非常に好調な決算を発表した暗号資産関連銘柄3社を取り上げる。
Coinbaseの売上高は前年同期比55%増
暗号資産関連銘柄について語る上で、Coinbaseの存在は無視できない。同社は世界最大級の暗号資産取引所の一つを運営しており、プラットフォーム上には数百万人規模の本人確認済みユーザーを抱えている。
Coinbaseは10月に第3四半期決算2を発表し、取引活動の大幅な増加とサブスクリプション・サービス事業の継続的な成長を背景に、非常に好調な内容となった。当四半期の売上高は18億6,900万ドルとなり、前年同期の12億500万ドルから前年同期比55%増加した。
内訳を見ると、取引関連収益は前年同期比37%増の10億ドル、サブスクリプション・サービス収益は同34%増の7億4,700万ドルとなった。機関投資家向け取引は当四半期に活動が大きく増加し、収益は前四半期比122%増の1億3,500万ドルに達した。
収益性の面では、Coinbaseの当四半期の純利益は4億3,300万ドルとなり、前年同期の7,500万ドルから大幅に増加した。つまり、同社は単なるトップライン(売上高)の成長にとどまらない企業となっている。
Coinbaseの強みの一つは、投資家向けに幅広い商品・サービスを提供している点だ。150種類以上のトークンへのアクセスを提供するだけでなく、暗号資産ステーキング、カストディサービス、暗号資産リワードなど、さまざまなサービスも利用可能だ。
また、規制当局と緊密に連携し、規制政策の策定を後押しするとともに、適用されるすべての法令の遵守を徹底している。こうしたコンプライアンス重視の姿勢は、規制が及んでいないことも多い暗号資産業界において大きな差別化要因となっており、投資家、特に機関投資家にとって魅力的なポイントとなり得る。
Robinhoodの暗号資産関連収益は300%増
Coinbaseが暗号資産取引分野の大手である一方、競合のRobinhood Marketsも急速にその差を縮めつつある。同社は最近、BitstampやWonderFiを含む複数の暗号資産関連企業を買収し、市場の大手企業に対して積極的に競争を仕掛けている。
2025年第3四半期3において、Robinhoodの売上高は12億7,000万ドルとなり、前年同期比100%増加した。暗号資産関連収益に着目すると2億6,800万ドルとなり、前年同期比300%増となった。
暗号資産以外では、株式取引収益(8,600万ドル)とオプション取引収益(3億400万ドル)がそれぞれ前年同期比132%増、50%増となった。純金利収益も好調な業績を支える要因となり、前年同期比66%増の4億5,600万ドルとなった。
Coinbaseと同様、Robinhoodも第3四半期に収益性が大きく改善した。当四半期の純利益は5億5,600万ドルとなり、前年同期比271%増を記録した。希薄化後一株当たり利益(EPS)は0.61ドルとなり、アナリスト予想4の0.53ドルを上回った。
Robinhoodは第3四半期の決算資料の中で、Bitstampを通じてグローバルな暗号資産関連サービスを強化し、機関投資家顧客の獲得を進めていると説明した。今日の暗号資産に対する機関投資家の関心の高さを踏まえると、この買収は今後の同社の重要な成長ドライバーとなる可能性がある。
総じて、第3四半期の決算は、Robinhoodが手数料無料の株式取引という中核モデルを超えて事業を拡大していることを浮き彫りにした。暗号資産取引の分野において、同社は急速にシェアを拡大している。
Galaxy Digitalにとって過去最高の四半期
CoinbaseとRobinhood以外にも注目すべき暗号資産関連銘柄がある。それがGalaxy Digitalだ。同社は、取引、アドバイザリー、資産運用、ステーキング、セルフカストディ、トークン化技術など、デジタル資産に関わる幅広いサービスを提供する多角的なフィンテック企業である。
主に機関投資家や大企業を顧客とし、伝統的な金融の世界と新興のデジタル資産エコシステムをつなぐことを目指している。機関投資家によるデジタル資産の受け入れが進む中、現在同社は大きな成功を収めている。
Galaxyは第3四半期5に驚異的な業績を上げ、経営陣は「創業以来最高の四半期」だったと述べた。2025年第2四半期と比較して、デジタル資産の取引高は140%増加した。これは、顧客に代わって想定元本90億ドル(8万BTC超)相当のビットコイン売却を執行したことや、デジタル資産財務戦略企業向けの堅調なスポット取引執行に支えられたものだ。
当四半期中、同社の資産運用部門には20億ドル超の純資金流入があった。これにより、四半期末時点の運用資産総額は約170億ドルに達した。
こうした事業の勢いを受けて、同社の純利益は5億500万ドルとなり、第2四半期の3,070万ドルから前四半期比1,546%増加した。調整後EBITDAは6億2,900万ドルとなり、前四半期比198%増となった。
注目すべき点として、Galaxy Digitalは10月に個人投資家向けの暗号資産プラットフォームを立ち上げた6。同社は、機関投資家向けに提供しているのと同様のサービスを個人投資家にも提供するこのプラットフォームが、従来の銀行業のビジネスモデルを覆す可能性を秘めていると考えている。そのため、同社は今後注目すべき企業と言えるだろう。
脚注:
1 Google Finance、Bitcoin to United States Dollar、2025年11月7日時点
2 Coinbase、Shareholder Letter Third Quarter 2025、2025年10月30日時点
3 Robinhood Reports Third Quarter 2025 Results、2025年11月5日時点
4 CNBC、Robinhood doubles revenue as it beats third-quarter earnings expectations、2025年11月5日時点
5 Galaxy Announces Third Quarter 2025 Financial Results、2025年10月21日時点
6 CNBC、Galaxy CEO Mike Novogratz on new retail trading app: The world will move from accounts to wallets、2025年10月6日時点