
世界的なAIインフラ構築の恩恵を、Broadcomほど受けてきた企業は数少ない。半導体・ネットワーキング分野の大手である同社は、過去3年間で売上高の大幅な成長を遂げてきた。
Broadcomは先日、2025会計年度第3四半期の決算を発表し、AI関連事業の成長が依然として非常に力強いことを示した。以下では、決算発表および決算説明会からのハイライトと、それに対するアナリストの反応を見ていく。
AIが牽引する売上高・利益成長
第3四半期のBroadcomの売上高は159.5億ドルとなり、予想の158.2億ドルを上回った。これは前年同期比22%増1に相当する。
内訳を見ると、半導体ソリューション部門の売上高は57%増の92億ドルとなり、うちAI関連売上高は63%増の52億ドルだった。一方、VMwareを含むインフラソフトウェア事業の売上高は68億ドルとなり、前年同期比43%増となった。
収益性については、同四半期の非GAAPベースの純利益は84億ドルとなり、非GAAPベースの希薄化後EPSは前年の1.24ドルから1.69ドルへと上昇した。アナリストの予想EPSは1.66ドルだった。
同期間のフリーキャッシュフローは70億ドルとなり、前年の48億ドルから大幅に増加した。
力強い第4四半期ガイダンス
今後の見通しについても、ガイダンスは力強い内容だった。2025会計年度第4四半期の売上高は約174億ドルと、前年同期比24%増を見込む。AI半導体売上高は第4四半期に62億ドルまで拡大する見通しで、11四半期連続の増収となる。
決算説明会のハイライト
決算発表の数字自体も印象的なものだったが、投資家を沸かせたのは決算説明会での内容だった。同説明会でホック・タン社長兼CEOは、カスタムチップ(XPU)の新規顧客を獲得したと明らかにした。この顧客は最近、100億ドル相当の注文を行ったという。タン氏によると、出荷は2026年に開始される見通しだ。なお、BroadcomはこれまでにすでにXPUの顧客を3社抱えており、これらはAlphabet、Meta、そしてTikTokを運営するByteDanceであるとみられている。
この新規顧客の獲得と、既存の3社のXPU顧客からの受注量拡大を受け、同社は2026会計年度のAI関連売上高の見通しを、従来示していた水準から大幅に引き上げている。タン氏によると、前年比60%超の成長となる可能性が高いという。
さらに先を見据えて、タン氏は将来的にこれらの顧客におけるXPUのシェアがGPUのシェアを上回る可能性があるとの見方を示した。つまり、カスタム設計された専用チップへの需要が、NvidiaやAMDなどが設計する汎用GPUへの需要を最終的に上回る可能性があるということだ。
なお、同説明会でタン氏は、少なくとも2030年までBroadcomのCEOを続投する意向も示した。同氏は「Broadcomにとってエキサイティングな時代であり、株主のために価値を生み出し続けることに強い意欲を持っている」と述べた。
ウォール街はAVGO株に強気姿勢
決算発表以降、ウォール街の複数の証券会社がAVGO株の目標株価を引き上げている2。Bernstein、JPモルガン、モルガン・スタンレー、パイパー・サンドラーなどがいずれも370ドルを超える目標株価を設定している。
こうしたアナリストの強気姿勢を踏まえると、この銘柄は注目に値するAI関連株と言えるだろう。現時点では力強いモメンタムを有している。
脚注:
1 Broadcom Inc. Announces Third Quarter Fiscal Year 2025 Financial Results and Quarterly Dividend、2025年9月4日時点
2 Investing.com、Broadcom (AVGO) Stock Forecast & Price Target、2025年9月5日時点