Advanced Micro Devices(AMD)株は2025年に力強い上昇を見せている。年初来で約90%上昇1し、Nvidia、Broadcom、その他多くの人工知能(AI)関連銘柄を上回るパフォーマンスとなっている。今後についても、世界的なデータセンターブームの中でAMDは驚異的な成長を遂げると予想されており、株価の上昇余地はまだ十分にあるとみられる。本稿では、この半導体企業が最近示した成長見通しと、ウォール街による2026年の株価予想を見ていく。
AMDの2025年アナリストデーは大きな転換点に
2025年11月11日、AMDは年次の「Financial Analyst Day」2を開催した。これは、急拡大するAI・データセンター市場において大きなシェアを獲得するための計画を示す、重要なイベントとなった。このイベントでAMDは、データセンター事業の総アドレス可能市場(TAM)の見通しを大幅に引き上げた。従来の「2028年までに5,000億ドル」という予測から、現在は「2030年までに1兆ドルを超える」との見方を示している。

より高い売上高成長率見通し
AMDは、この巨大な新市場において「二桁台のシェア」の獲得を目指している。同社はハイパースケーラー、政府系機関、AIネイティブ企業からの需要に商機を見出しており、強力なInstinct GPUを武器に成長見通しに自信を示している。この巨大な成長機会を踏まえ、同社は今後3〜5年間で売上高の年平均成長率(CAGR)35%超を目標に掲げている。内訳としては、データセンター事業全体で売上高CAGR60%、データセンター向けAI分野で売上高CAGR80%を目指している。

エンドツーエンドのAIソリューション
AMDのAI戦略に焦点を当てると、その中核となるのが「Helios」ラックスケールシステムだ。これは、AIのトレーニングおよび推論ワークロード向けに専用設計されたフルサーバーラックで、フル構成時には最大72基のInstinct MI450 GPUを搭載できる。このシステムの強みは、オープンな設計思想にあり、ハイパースケーラーをはじめとするAI企業は独自にラックシステムを開発する必要なく、容易に導入・カスタマイズ・統合が可能となる。これらのシステムは2026年第3四半期に発売・導入される見込みだ。
AMDはFinancial Analyst Dayにおいて、ソフトウェア面についても強調した。オープンソースのソフトウェアプラットフォームであるROCmの勢いが増していることに言及し、ダウンロード数が前年比10倍に増加したと説明した。Instinct GPUおよびHeliosラックスケールシステムと組み合わせることで、AMDはAIスーパーコンピューター時代に向けた完全なエンドツーエンドのソリューションを提供できる体制を整えている。単なるチップ販売にとどまらず、世界中のデータセンターに迅速かつ効率的に導入可能なフルスタックのソリューションを提供できるようになったのだ。

ウォール街によるAMD株の2026年予想
総じて、AMDがFinancial Analyst Dayで示したメッセージは、高成長かつ兆ドル規模のAIコンピューティング市場において支配的な地位を築くという方針だった。これはウォール街のアナリストの注目を集めた。このイベント以降、多くの証券会社がこの半導体銘柄の目標株価3を引き上げており、300ドルとする証券会社が多く、中には350ドルまで引き上げた証券会社もある。最も高い目標株価は380ドルで、Melius Researchによるものだ。同社は、AMDが今後数年間でAI市場の10%のシェアを獲得できると見ている。目標株価の平均は現在277ドルで、現在の株価から約20%の上値余地を示唆している。
脚注:
1 Google Finance、2025年11月19日時点
2 AMD Financial Analyst Day 2025、2025年11月時点
3 Investing.com、Advanced Micro Devices (AMD)、2025年11月19日時点