AMD株はこの1年で好調に推移し、株価はほぼ2倍1となった。この強さは、同半導体企業が人工知能(AI)分野への戦略的シフトを進め、データセンター市場におけるNvidiaの独占的地位に対する有力な挑戦者として台頭したことに支えられている。
AMDは先般、2025年第4四半期の決算2を発表し、AIワークロード向けGPUを販売するデータセンター部門の力強い成長を背景に、市場予想を上回る内容となった。以下では、決算発表および決算説明会のハイライトと、アナリストの反応を紹介する。
第4四半期の売上高は前年同期比34%増
第4四半期のAMDの売上高は103億ドルで前年同期比34%増となり、コンセンサス予想3の97億ドルを大きく上回った。営業利益は28億5,400万ドルで前年同期比41%増、EPS(一株当たり利益)は市場予想の1.32ドルに対し1.53ドルとなった。
データセンター部門に注目すると、売上高は過去最高の54億ドルで前年同期比39%増だった。この成長は、AMDのEPYCサーバー向けプロセッサに対する旺盛な需要と、Instinct GPUの出荷拡大に支えられた。
ガイダンスについて、同社は第1四半期の売上高を98億ドル(上下3億ドル)と見込んでおり、コンセンサス予想の94億ドルを上回る水準となっている。このガイダンスの中央値は前年同期比32%の増収を示唆する。
AMDのリサ・スー会長兼CEOは、「2025年はAMDにとって重要な1年となった。力強い実行力と、高性能プラットフォームおよびAIプラットフォームに対する幅広い需要により、売上高・利益ともに過去最高を記録した」と述べた。さらに「高性能なEPYCおよびRyzen CPUの採用加速と、データセンター向けAI事業の急速な拡大を追い風に、2026年も力強いモメンタムを維持して臨む」と付け加えた。
決算説明会でのポイント
決算説明会でスー氏は、AI企業上位10社のうち8社が、現在AMDのInstinct GPUを本番稼働のワークロードに採用していると述べた。さらに、MI350シリーズGPUの投入により、既存パートナーとの取引拡大と新規顧客の獲得を進めながら、採用の次なるフェーズに入ったと説明した。また、次世代MI500シリーズの開発もすでに順調に進んでおり、AI性能の大幅な飛躍が期待されるこのシリーズは、2027年の投入に向けて計画通り進行中だとした。
サーバー事業については、第5世代EPYC CPUの採用が第4四半期に加速し、サーバー売上高全体の半分以上を占めたとスー氏は述べた。ただし第4世代EPYCの販売も堅調だったという。同社は今年後半に次世代Venice CPUの投入を予定しており、スー氏はこのサーバー向けCPUへの需要が非常に高いと指摘した。
InstinctとEPYCのモメンタムを踏まえ、スー氏はAMDが2026年に「大幅な」増収増益を見込んでいると述べた。さらに長期的には、11月の投資家向けイベント(Financial Analyst Day)で示した野心的な目標、すなわち今後3〜5年間で売上高を年平均成長率(CAGR)35%超、同期間のデータセンター売上高をCAGR60%超で成長させるという目標の達成に向けた明確な道筋が見えているとした。

AMD株、目標株価が相次いで引き上げ
第4四半期の力強い増収増益と堅調なガイダンスを受け、アナリストの間ではAMD株に対して総じて強気な見方が続いている。決算発表以降、Evercore ISI、BofAセキュリティーズ、Truistなど複数の証券会社が目標株価を引き上げた4。現在の平均目標株価は289ドルで、現在の株価を約40%上回る水準1となっている。
脚注:
1 Google Finance、2026年2月4日時点
2 AMD Reports Fourth Quarter and Full Year 2025 Financial Results、2026年2月3日時点
3 CNBC、AMD shares drop as forecast comes up short of some expectations、2026年2月3日時点
4 Investing.com、Advanced Micro Devices (AMD)、2026年2月4日時点