
AMDは火曜日にまちまちの四半期決算を発表
EPSは予想を下回ったが、売上高は予想を上回る
AI需要の強さを背景にAMDは第3四半期ガイダンスを引き上げ
Advanced Micro Devices(AMD)は火曜日に2025年第2四半期決算を発表し、戦略面での前進とマクロ環境における課題の両方を映し出す、まちまちの結果となりました。売上高は予想を上回ったものの、一株当たり利益(EPS)はわずかに予想を下回りました。第3四半期については強気のガイダンスを示したにもかかわらず、株価は水曜日に6%超下落し、投資家の期待がファンダメンタルズに先行していた可能性を示唆しています。
AMDの2025年第2四半期、トップラインは予想上振れもEPSは未達
2025年6月期(第2四半期)の決算内容は以下の通りです。
売上高:76億8,500万ドル(予想74億2,800万ドル、ブルームバーグ・コンセンサス)
調整後純利益:7億8,100万ドル(予想7億9,786万ドル)
調整後EPS:0.48ドル(予想0.488ドル)1
売上高は予想を上回った一方、調整後一株当たり利益はコンセンサスをわずかに下回りました。四半期の純利益は8億7,200万ドル(希薄化後一株当たり利益0.54ドル)へと急増し、前年同期の2億6,500万ドル(一株当たり0.16ドル)から大きく伸びました。これは同社の高い営業レバレッジを反映しています。2
地政学リスクに伴うコストが粗利益率を圧迫
AMDの第2四半期の調整後粗利益率は43%でした。しかし、約8億ドルの中国関連輸出費用を発生させた米政府の輸出規制の影響を除けば、粗利益率は54%だったことになり、地政学的環境が今後の収益性にとって引き続き重要な変数であることを浮き彫りにしています。2
AIへの楽観論を背景にガイダンスは上振れサプライズ
今後については、AMDは第3四半期の売上高を87億ドル(プラスマイナス3億ドル)と予想を上回るガイダンスを示しました。売上高予想レンジの中央値では、前年同期比約28%増、前四半期比約13%増に相当します。Lisa Su CEOは「コンピューティングおよびAI製品ポートフォリオ全体で力強い需要」があると述べ、次世代チップへの楽観的な見方を強調しました。2
重要な点として、このガイダンスには中国向け販売による寄与は含まれていません。これは、高性能GPUに対する米国の輸出規制が現在も続いているためです。2
AI戦略:Nvidiaに対する進展
AIワークロード向けGPUプロバイダーとしてNvidiaに次ぐ第2位の地位にあるAMDは、AI分野での存在感を急速に拡大しています。今四半期の主な動きは以下の通りです。
2026年に投入予定のInstinct MI400シリーズを発表
OpenAIのSam Altman CEOが、今後の展開でAMD製GPUを採用することを約束
6月に発売されたInstinct MI350は、前世代のMI300と比較してAI演算性能が4倍、推論性能が35倍向上したと報じられている3
Lisa Su氏は、世界のAI大手企業トップ10社のうち7社がすでにAMDのInstinctチップを導入していることを確認しており、Nvidiaが支配的な地位を占めるハイパースケール市場でAMDが存在感を強めていることがうかがえます。
中国向け輸出禁止措置の影響と在庫の課題
今四半期の主な足かせとなったのは、米国によるAMD製MI308 AIチップの対中輸出禁止措置に伴う8億ドルの売上高の下押しでした。同社は過去最高の売上高にもかかわらず、1億3,400万ドルの営業損失を計上しました。2
AMDは現在、出荷再開に向けて米商務省からのライセンス承認を待っている状況です。Lisa Su CEOは、中国顧客向けの在庫の大半が完成品の形になっておらず、「消化するには数四半期かかる可能性がある」と述べました。
特筆すべきは、第3四半期の見通しには中国からの回復分が一切含まれていない点で、ライセンスが承認されればさらなる上振れの可能性を示唆しています。
セグメント別ハイライト:クライアント・ゲーミング需要が好調
データセンター部門の売上高は32億ドルで、前年同期比14%増となりました。この成長は主にAMD EPYCプロセッサーへの強い需要によるもので、輸出規制による中国向けAMD Instinct MI308出荷の減少による影響を十分に相殺しました。2
クライアント部門の売上高は過去最高の25億ドルとなり、前年同期比67%増を記録しました。最新のAMD Ryzen「Zen 5」デスクトップ・プロセッサーへの強い需要と、より高価格帯製品へのシフトが後押ししました。2
ゲーミング部門の売上高は73%増の11億ドルとなり、セミカスタムチップの販売増加とAMD Radeon GPUへの旺盛な需要が牽引しました。2
組み込み部門の売上高は8億2,400万ドルで、前年同期比4%減となり、最終市場全体でまちまちの需要動向を反映しています。2

出典: TradingView, 2025年8月7日時点
株価の反応と市場センチメント
力強い第3四半期ガイダンスとAIモメンタムにもかかわらず、決算発表後にAMD株は下落しました。これは決算発表前の急激な株価上昇を反映したものです。それでも同株は年初来で42%上昇しており、4月の安値からは125%上昇しています。投資家の熱狂と、AI分野におけるAMDの競争的地位への信頼の高まりが背景にあります。
決算後の株価下落にもかかわらず、投資家が高性能コンピューティング分野におけるAMDの重要性の高まりを再評価するにつれ、調整は小幅かつ一時的なものにとどまる可能性があります。当社の同株に対する長期的な見方は引き続きポジティブであり、今後数カ月で株価は200ドルに向けて上昇し得ると考えています。
まとめ:長期的なAI成長に向けて態勢を整えるAMD
AMDの2025年第2四半期決算は、従来型のCPU企業から、フルスタックのデータセンターおよびAIコンピューティングの雄へと移行しつつある同社の姿を映し出しています。輸出規制による短期的な逆風はあるものの、AMDの強力な製品ロードマップ、AI大手企業との提携深化、そしてライセンス取得を巡る見通しの改善は、同社がNvidiaと競合できる態勢を整えつつあることを示唆しています。
Instinct MI355の出荷が既に始まり、初期需要も好調な兆候を見せる中、AMDのAI分野における野心は急速に現実のものとなりつつあります。投資家にとっては、複雑な米中貿易関係を乗り越えながらこのモメンタムを持続できるかどうかを見極める上で、今後の四半期が重要な意味を持つでしょう。
脚注:
1 Bloomberg Terminal: AMD Earnings Estimates, 2025年8月7日時点
2 AMD Investor Relations, AMD Reports Second Quarter 2025 Financial Results, 2025年8月5日時点
3 AMD Investor Relations, AMD Unveils Vision for an Open AI Ecosystem, Detailing New Silicon, Software and Systems at Advancing AI 2025, 2025年6月12日時点