アドビ(Adobe)株は、AIが自社のビジネスモデルを破壊するのではないかとの懸念から、2025年に市場を下回るパフォーマンスとなっている。現在の株価は340ドル1近辺で取引されており、年初の水準を20%以上下回っている。しかし2025会計年度第4四半期決算2では、同社が自社のAIツールで成果を上げており、売上高も引き続き増加していることが示された。ここでは、第4四半期決算のハイライトを紹介する。
第4四半期は過去最高の売上高
第4四半期の売上高は過去最高の61億9,000万ドルで、前年同期比10%増となった。non-GAAPベースの希薄化後EPSは5.50ドルで、前年同期の4.81ドルから増加し、コンセンサス予想の5.40ドル3を上回った。
売上高を事業別に見ると、クリエイティブ専門家向けのコンテンツ制作ツールを提供するDigital Mediaセグメントの売上高は46億2,000万ドルで、前年同期比11%増となった。一方、デジタルマーケティングツールを提供するDigital Experienceセグメントの売上高は15億2,000万ドルで、前年同期比9%増となった。

予想を上回るガイダンス
今後の見通しについて、同社は今会計年度の売上高予想を259億ドル〜261億ドルとし、コンセンサス予想の258億7,000万ドル4を上回るとした。調整後EPSは23.30〜23.50ドルと見込まれており、これは予想の23.34ドルを中央値で上回る水準だ。
見通しの中で同社は、今年の年換算経常収益(ARR)成長率10.2%を目標としていると述べた。生成AIおよびエージェント型プラットフォームの高度化と顧客基盤の拡大により、これが実現可能だと考えている。
アドビのAIツールが勢いを拡大
決算説明会3で経営陣は、クリエイターに豊富な生成AI機能を提供するAI搭載アプリケーション「Firefly」が支持を広げていると述べた。「Creative Cloudの顧客がクリエイティブワークフローにシームレスに統合されたAIモデルやツールの幅広さを取り入れる中、Fireflyの採用は力強く進んでいる」とデジタルメディア部門プレジデントのデビッド・ワドワニ氏はコメントした。
ワドワニ氏は、第4四半期にエンタープライズ企業でのFireflyサービス導入が加速し、新規契約が100件を超えたと指摘した。また、第4四半期にはFireflyの新規サブスクリプション数が前四半期比2倍に増加したとも述べた。

決算説明会では、CFOのダン・バーン氏が、AIの影響を受けた新規ARRの合計が、現在アドビの全事業の3分の1超を占めていると指摘した。今後については、AI関連ソリューションで事業全体を牽引していくのが同社の戦略だ。
ウォール街は上昇余地を予想
アドビの第4四半期決算は予想を上回ったものの、決算発表直後の株価はあまり動かなかった。そのため、株価は依然として高値から大きく下回った水準にあり、バリュエーションは低い(現在の予想PER(株価収益率)は15倍5前後)。
しかし、アナリストは引き続き上昇余地があるとみている。現在、アナリストの平均目標株価6は444ドルで、現在の株価を約30%上回る水準だ。
脚注:
1 Google Finance、2025年11月11日時点
2 Adobe、Adobe Reports Record Q4 and FY2025 Revenue、2025年12月10日時点
3 Investing.com、Earnings call transcript: Adobe beats Q4 2025 expectations, stock dips、2025年12月10日時点
4 MSN.com、Adobe shares slip despite strong AI-driven forecast and record metrics、2025年12月11日時点
5 Investing.com、Adobe Systems Incorporated (ADBE)、2025年12月11日時点
6 LSEG、2025年11月11日時点