
決算シーズンが到来し、人工知能(AI)関連企業にとっては好調な滑り出しとなっている。すでにアルファベット、ServiceNow、台湾積体電路製造(TSMC)をはじめとする複数の企業が市場予想を上回る決算を発表しており、いずれもAI関連製品・サービスに対する旺盛な需要を指摘している。今後数週間は、AIエコシステムの主要企業が相次いで決算を発表することから、AIというテーマにとって極めて重要な時期となる。そこで本稿では、今回の決算シーズンで注目すべきAI関連銘柄を3つ紹介する。
パランティア
ソフトウェア企業のパランティアは、AI分野の先頭集団と見なされる存在になりつつある。そのため、8月4日に予定されている第2四半期決算の発表には大きな注目が集まるだろう。同社は最近、組織によるAIの迅速な導入を支援するために設計された人工知能プラットフォーム(AIP)により、目覚ましい売上成長を続けている。問題は、今後もこの高水準の売上成長を維持できるかどうかである。
前四半期1、パランティアの売上高は前年同期比39%増の8億8,400万ドルとなった。同四半期のハイライトは、前年比71%増加した米国商業部門の売上高であった。第2四半期については、ウォール街は2売上高が前年同期比39%増の9億3,900万ドルになると予想している。一株当たり利益(EPS)は、2024年第2四半期の0.09ドルに対し、0.14ドルになると見込まれている。
当然ながら、パランティアが第2四半期決算を発表する際には、先行きのガイダンスに大きな関心が集まるだろう。前四半期、同社は通期売上高ガイダンスを38億9,000万~39億200万ドルに引き上げた。また、米国商業部門の売上高ガイダンスも11億7,800万ドル超(成長率にして少なくとも68%)に引き上げた。今回の決算発表でガイダンスが引き上げられない場合、株価は年初来で100%超上昇しており、現在の株価売上高倍率(PSR)がおよそ100倍という水準にあることから、利益確定売りが出る可能性がある。
AMD
AIチップの雄であるエヌビディアの決算発表は8月27日まで行われない。しかし投資家は、それより前の8月5日に予定されているアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の第2四半期決算発表によって、AIチップ市場に関するある程度のインサイトを得ることができるだろう。同社は最近、AIアプリケーションを支えるための一連のGPUを開発している。これらの新製品はエヌビディアのこの分野における優位性に直接挑む存在であり、AMDの今回の決算発表は半導体業界にとって重要なバロメーターとなる。
第1四半期3のAMDの売上高は前年同期比36%増の74億ドルであった。詳しく見ると、AI向けGPUを含むデータセンター部門の売上高は前年同期比57%増の36億7,000万ドルとなった。第2四半期について、同社は売上高をおよそ74億ドル(プラスマイナス3億ドル)と見込んでいる。これは前年同期比22~33%の成長に相当する。
ここで投資家が注目する点の一つは、対中国売上高である。5月、AMDは米国による対中国チップ輸出規制により15億ドル4の売上減少が見込まれると述べていた。しかし7月中旬、米国が対中国AIチップ輸出規制を解除したことで、AMDは近く同国向けにMI308チップの出荷を再開できるようになる見通しである。この動きは今後の売上・利益に大きな影響を及ぼす可能性があり、決算説明会における主要な論点の一つになると見られる。
セールスフォース
8月27日はエヌビディアの決算が話題を独占しそうだが、同日にはもう一社、AI関連企業が決算を発表する。それがセールスフォースである。同社は昨年、エージェント型AIサービス「Agentforce」を展開開始しており、人工知能エコシステムにおける主要プレーヤーとしての存在感を強めつつある。
前四半期5(2026年度第2四半期)、セールスフォースは投資家に対し、既に8,000社の顧客がAgentforceに登録しており、そのうち4,000社が有料で利用していると説明した。そのため、現在何社の顧客を抱えているかは注目に値するだろう。競合のServiceNowの直近の第2四半期決算を参考にするならば、セールスフォースも前四半期にAIによる力強い成長を遂げていた可能性が高い。AI導入の効果により、ServiceNowは売上成長率・収益性のあらゆる指標でガイダンスを上回り、通期のサブスクリプション売上高予想を引き上げた。
他の多くのAI関連銘柄とは異なり、セールスフォース株は最近あまりモメンタムを見せていない点は指摘しておく価値がある。現在、株価は年初来で約20%下落しており、株価収益率(PER)は24倍と比較的低い水準で取引されている。こうした状況を踏まえると、第3四半期の一株当たり利益がコンセンサス予想6の2.78ドルを上回れば、株価は上昇に転じる可能性がある。特に、AIおよびデータ関連の取り組みに関する前向きな見通しを伴う力強い決算上振れは、投資家の関心を再燃させ、株価を押し上げる強力な触媒となる可能性がある。
脚注:
1 Palantir、Palantir Reports Q1 2025 Revenue Report、2025年5月5日時点
2 Yahoo Finance、Palantir Technologies Inc. (PLTR)、2025年7月25日時点
3 AMD、AMD Reports First Quarter 2025 Financial Results、2025年5月6日時点
4 Reuters、AMD forecasts $1.5 billion revenue hit from US curbs on China chip exports、2025年5月7日時点
5 Salesforce、Salesforce Reports Record First Quarter Fiscal 2026 Results、2025年5月28日時点
6 Yahoo Finance、Salesforce, Inc. (CRM)、2025年7月25日時点